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ヘルペス・帯状疱疹

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はじめに

・「ヘルペス」という病気には、口や性器のまわりに水ぶくれができる「単純ヘルペス(単純疱疹)」と、体の片側に痛みを伴う発疹が帯状に出る「帯状ヘルペス(帯状疱疹)」の2種類があります。

・どちらもヘルペスウイルスの仲間が原因で起こりますが、原因となるウイルスの種類や症状の出かた、治療のポイントは異なります。

・このページでは、日本皮膚科学会の診療ガイドライン(帯状疱疹診療ガイドライン2025 など)や関連学会の診療指針を参考に、患者さんからよくいただくご質問についてQ&A形式でまとめました。患者様に必要なところ、気になるところをご覧頂けたら幸いです。

・なお、本ページに記載している内容は疾患に関する一般的な情報であり、必ずしも全ての患者さまに当てはまるものではありません。症状の表れ方や適切な治療法には、個人差があります。

・実際の診断・治療にあたっては必ず医師の診察を受けて頂き、医師と患者さまとの十分な話し合いや合意のもとで、治療方針を決定いたします。

医療法人潤皮ふ科 院長 原田 潤

Q&A一覧

単純ヘルペス(単純疱疹)について

単純ヘルペスの原因・症状

Q1. 単純ヘルペスとはどのような病気ですか?

Q2. 原因は何ですか?どのようにうつるのですか?

Q3. どのような症状が出ますか?

Q4. 一度治ったのに、また同じ場所に繰り返すのはなぜですか?

Q5. 再発のきっかけ(誘因)にはどのようなものがありますか?

 

単純ヘルペスの治療

Q6. 治療法を教えてください。

Q7. どのくらい早く治療を始めればよいですか?

Q8. 何度も繰り返す場合、良い治療法はありますか?

Q9. 人にうつしてしまうことはありますか?日常生活で気をつけることは?

Q10. 妊娠中や出産の際に注意することはありますか?

Q11. 単純ヘルペスは完治する病気ですか? 帯状ヘルペス(帯状疱疹)について

 

帯状ヘルペス(帯状疱疹)について

帯状ヘルペスの原因・症状

Q12. 帯状疱疹とはどのような病気ですか?

Q13. 原因は何ですか?

Q14. どのような症状が出ますか?

Q15. どのような人がかかりやすいですか?

Q16. 人にうつることはありますか?

 

帯状ヘルペスの治療

Q17. 治療法を教えてください。

Q18. どのくらい早く治療を始めればよいですか?

Q19. 治った後も痛みが残ることがあると聞きました。

Q20. 特に注意が必要な症状はありますか?

Q21. 予防する方法はありますか?

Q22. 一度かかったら、二度目はかからないのですか? 帯状疱疹ワクチンについて

 

帯状疱疹ワクチンについて

Q23.帯状疱疹ワクチンとは何ですか。

Q24.帯状疱疹ワクチンの種類について教えてください。

Q25.帯状疱疹ワクチンの接種対象者について教えてください。

Q26.帯状疱疹ワクチンの接種方法とその効果はどうですか。

Q27.帯状疱疹ワクチンの副反応について教えてください。

Q28.帯状疱疹ワクチンの接種費用は?

Q29.ワクチン接種の予約方法について教えてください。

単純ヘルペス(単純疱疹)について

単純ヘルペスの原因・症状

Q1. 単純ヘルペスとはどのような病気ですか?

・単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって、皮膚や粘膜に小さな水ぶくれ(水疱)がまとまってできる病気です。

・口のまわりにできる「口唇ヘルペス」と、性器やその周辺にできる「性器ヘルペス」が代表的で、どちらも比較的よくみられる感染症です。

Q2. 原因は何ですか?どのようにうつるのですか?

・原因は単純ヘルペスウイルス(HSV-1型・HSV-2型)です。ウイルスを持つ人の水ぶくれやびらん(ただれ)に直接触れること、キスや性的接触などの皮膚・粘膜の接触によってうつります。

・症状がない時期でもウイルスが排出されていることがあり、見た目に異常がなくてもうつる可能性がある点に注意が必要です。

Q3. どのような症状が出ますか?

・赤み・かゆみ・ピリピリとした違和感に続いて、小さな水ぶくれが集まってでき、破れるとびらん(ただれ)になります。痛みを伴うことが多く、発熱やリンパ節の腫れを伴うこともあります。

・初めて感染したとき(初感染)は症状が強く出やすく、再発時は比較的軽く済むことが多いです。

Q4. 一度治ったのに、また同じ場所に繰り返すのはなぜですか?

・単純ヘルペスウイルスは、一度感染すると神経の根もと(神経節)に潜伏し、体から完全にいなくなることはありません。

・普段はおとなしくしていますが、風邪などの感染症や免疫力の低下をきっかけに再び活動を始め、以前と同じような場所に症状が出ることがあります。

Q5. 再発のきっかけ(誘因)にはどのようなものがありますか?

・疲労、睡眠不足、ストレス、発熱やかぜ、紫外線(強い日差し)、月経、免疫力の低下などが誘因として知られています。

・これらの誘因に心当たりがある場合は、体調管理や紫外線対策を意識することも再発予防につながります。

単純ヘルペスの治療

Q6. 治療法を教えてください。

・抗ヘルペスウイルス薬(バルトレックス®、ファムシクロビル®など)の飲み薬や塗り薬で治療します。

・症状の範囲や経過によって内服薬・外用薬を使い分けますが、一般的には内服薬の方が効果が早く出ることが多いです。痛みが強い場合は、痛みを和らげる薬を併用することもあります。

Q7. どのくらい早く治療を始めればよいですか?

・ピリピリ・チクチクとした違和感(前駆症状)を感じた時点、あるいは水ぶくれが出始めてできるだけ早い段階で治療を始めることが、症状を軽く早く治めるうえで重要です。

・これらの症状に気づいたら、早めに受診することをおすすめします。

Q8. 何度も繰り返す場合、良い治療法はありますか?

・最近、毎年複数回の再発を繰り返す口唇ヘルペスの患者さんで、「PIT(Patient Initiated Therapy)」という事前に飲み薬を備える治療法が保険適用になりました。

・これは、ムズムズやチクチク感などのヘルペスの前駆症状が出た段階で、患者さん自身の判断ですぐに内服薬を服用します。これにより水ぶくれや痛みなどの皮膚症状を軽減したり、治るまでの期間を短くすることが可能です。

・また、性器ヘルペスを繰り返される方には、毎日少量のバルトレックス®を継続して服用し再発そのものを減らす「再発抑制療法」の選択肢があります。

・どちらも口唇ヘルペス、陰部ヘルペスの再発の頻度によっては保険適用となる場合がありますので、繰り返しでお困りの方はご相談ください。

Q9. 人にうつしてしまうことはありますか?日常生活で気をつけることは?

・水ぶくれやただれがある間はウイルス量が多く、うつりやすい状態です。患部を直接触らない、タオルや食器の共用を避ける、キスや性的接触を控える、患部に触れた後は手をよく洗うなどを心がけてください。

・なお、症状がない時期でもごくわずかにうつる可能性があるとされています。

Q10. 妊娠中や出産の際に注意することはありますか?

・妊娠中に初めて性器ヘルペスに感染した場合や、出産の時期に性器ヘルペスの症状がある場合は、赤ちゃんへの感染(新生児ヘルペス)を防ぐための対応が必要になることがあります。

・妊娠中の方、妊娠を予定されている方でヘルペスの既往や症状がある場合は、必ず産婦人科の先生にお伝えください。

Q11. 単純ヘルペスは完治する病気ですか?

・単純ヘルペスウイルスを体内から完全に排除する治療法は、現時点ではありません。ただし、多くの方は薬で症状をコントロールしながら、日常生活に大きな支障なく過ごすことができます。

・口唇ヘルペス・性器ヘルペスの再発を繰り返す場合も、上記誘因を避けたりPITや再発抑制療法などを行うことで、頻度や症状を軽くすることが可能です。これらの疾患でお困りの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

帯状ヘルペス(帯状疱疹)について

帯状ヘルペスの原因・症状

Q12. 帯状疱疹とはどのような病気ですか?

・体の左右どちらかの片側に、神経の支配領域に沿って帯状に赤みと水ぶくれが現れる病気です。多くの場合、ピリピリ感や強い痛みを伴います。

・顔面、胸部や背部、四肢など、体のさまざまな部位に起こる可能性があります。

・顔面の帯状疱疹の場合は難聴や顔面麻痺、失明などを引き起こすことがあります。

・また、帯状疱疹が重症化した場合、水ぶくれが全身に拡大したり、発熱や頭痛などの全身症状が現れることがあります。

Q13. 原因は何ですか?

・原因は水痘(水ぼうそう)と同じ「水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)」です。子どもの頃に水ぼうそうにかかると、治った後もウイルスは体内の神経節に潜伏し続けます。

・加齢や疲労、ストレス、病気などで免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再び活動を始め、帯状疱疹として発症します。

Q14. どのような症状が出ますか?

・多くの場合、皮疹が出る数日前からピリピリ・チクチクとした痛みや違和感が先行し、その後、赤みと小さな水ぶくれが神経の走行に沿って帯状に現れます。

・痛みの強さには罹患部位による差や個人差があり、非常に軽くて済む方から、激痛で夜も眠れない方まで様々です。ご高齢の方、糖尿病やその他の基礎疾患がある方、免疫力が低下している方で痛みが強くなりがちです。

Q15. どのような人がかかりやすいですか?

・50歳を過ぎると発症率が上がり始め、加齢とともに増加することが知られています。

・過労や睡眠不足、強いストレス、糖尿病などの持病、がんの治療中など免疫力が低下している状態も発症のリスクを高めます。

Q16. 人にうつることはありますか?

・帯状疱疹そのものが他人に「帯状疱疹として」うつることはありません。ただし、水ぼうそうにかかったことがない方や水痘ワクチンを受けていない方(特に乳幼児や妊婦さん)が水ぶくれに直接触れると、水ぼうそうとして感染することがあります。

・水ぶくれがかさぶたになるまでは、患部を覆う、免疫のない方との皮膚接触を避けるなどの配慮をお願いします。

帯状ヘルペスの治療

Q17. 治療法を教えてください。

・基本的には、外来通院で抗ヘルペスウイルス薬(アメナリーフ®、バルトレックス®、ファムビル®など)の内服治療が基本となります。また、痛みが強い場合は、鎮痛薬を併用します。なお、当院では、初診時に全身状態の把握のために採血を施行しています。

・非常に痛みが強い、食事が摂れないなどの重症の方、顔面麻痺や難聴、視野異常など他の症状を伴う方の場合、入院して点滴治療が必要になることもあります。

Q18. どのくらい早く治療を始めればよいですか?

・皮疹が出てからできるだけ早く、目安として5日以内に抗ウイルス薬による治療を開始することが推奨されています。

・治療開始が早いほど、症状の重症化や後述する神経痛の予防につながりますので、痛みや皮疹に気づいたら早めに受診してください。

Q19. 治った後も痛みが残ることがあると聞きました。

・皮膚の症状が治った後も痛みが持続することがあり、これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。

・高齢の方や、発症時の痛み・皮疹が強かった方、治療開始が遅れた方ほど、この神経痛が残りやすいことがわかっています。早期の受診・治療が、神経痛の予防にもつながります。

Q20. 特に注意が必要な症状はありますか?

・顔、特に目の周り(額から鼻にかけて)に症状が出ている場合は、角膜や視力に影響が及ぶことがあるため、眼科と連携した速やかな対応が必要です。

・また、耳の周りに症状が出て、顔面の麻痺やめまい、耳鳴りを伴う場合(ハント症候群)もあります。これらの症状がある場合は、様子を見ずにすぐに受診してください。

Q21. 帯状疱疹を予防する方法はありますか?

・50歳以上の方を対象に、帯状疱疹を予防するためのワクチンがあります。詳しくは下記の「帯状疱疹ワクチンについて」の項目をご覧ください。

・生ワクチンと、より高い予防効果が報告されている不活化ワクチン(サブユニットワクチン)の2種類があり、2025年4月からは定期接種の対象にもなっています。

・ワクチン接種にご関心のある方は、当院までお問い合わせください。あわせて、規則正しい生活や十分な睡眠、ストレスをためないことも予防につながります。

Q22. 一度帯状疱疹にかかったら、もうかからないのですか?

・多くの方は生涯に一度の発症ですが、免疫力が低下する状況が重なると、まれに2回以上発症することもあります。

・過去にかかったことがある方でも、体調管理とあわせてワクチンによる予防を検討する価値があります。

帯状疱疹ワクチンについて

Q23.帯状疱疹ワクチンとは何ですか。

・帯状疱疹ワクチンとは、帯状疱疹の発症予防や重症化予防のために開発されたワクチンです。

・帯状疱疹発症前にワクチンを接種しておくことで、発症リスクを大幅に下げる事が可能です。また、万が一帯状疱疹にかかったとしても、重症化を予防する効果も期待できます。

Q24.帯状疱疹ワクチンの種類について教えてください。

・帯状疱疹ワクチンには、弱毒生水痘ワクチンとシングリックスの2種類があります。

・弱毒生水痘ワクチンは生きたウィルスを弱毒化した生ワクチンであるのに対して、シングリックスはウィルス表面のタンパク質を抗原とした不活化ワクチンである点が異なります。

Q25.帯状疱疹ワクチンの接種対象者について教えてください。

・弱毒生水痘ワクチン、シングリックスのいずれも、50歳以上の方が対象となります。

・接種を受けられる方は一般のワクチンと同様ですが、弱毒生水痘ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中の方、免疫が低下する薬剤や基礎疾患をお持ちの方は投与できません。

・なお、シングリックスは不活化ワクチンのため、これらの制限はありません。

Q26.帯状疱疹ワクチンの接種方法とその効果はどうですか。

・弱毒生水痘ワクチンは1回の皮下注射、シングリックスは2回の筋肉内注射(1回目から2回目は2か月の間隔を空ける)を行います。

・弱毒生水痘ワクチンの効果は1年後に6割、5年後に4割程度なのに対して、シングリックスは1年後に9割以上、5年後に9割程度、10年後に7割程度となり、シングリックスの方が効果が高く、持続期間も長いです。

Q27.帯状疱疹ワクチンの副反応について教えてください。

・下記に表で示しますが、シングリックスは注射部位の痛み・赤み・腫れ、注射部位以外の筋肉痛・疲労・頭痛・悪寒・発熱・胃腸症状の頻度が高いことが報告されており、弱毒生水痘ワクチンよりも副反応は多くなります。

副反応の発現割合 弱毒生水痘ワクチン シングリックス
70%以上 なし 注射部の痛み
30%以上 注射部の赤み 注射部の赤み、筋肉痛、疲労
10%以上 注射部の痒み、熱感、
腫脹、痛み、しこり
頭痛、悪寒、発熱、
胃腸症状、注射部位の腫脹
1%以上 発疹、倦怠感 注射部位の掻痒感、倦怠感、
その他の疼痛
Q28.帯状疱疹ワクチンの接種費用は?

・令和7年4月1日より、過去に帯状疱疹ワクチンを1度も接種されたことがない方を対象として、大阪市の接種費用の一部助成が開始となりました。

・今年の4月2日から来年4月1日までの期間に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方では、1回あたりの自己負担額が弱毒生水痘ワクチンで4500円、シングリックスで11000円となります。

・それ以外の年齢の方でも接種費用は自己負担となりますが接種可能で、弱毒生水痘ワクチンで8800円、シングリックスで22000円となります。

Q29.ワクチン接種の予約方法について教えてください。

・帯状疱疹ワクチンの接種には、事前の予約が必要です。お電話(06-6692-1212)での予約か、当院にかかられている患者さんは受診時に接種希望の旨をお伝え下さい(Web予約は不可となります)。

・なお、体調不良などによる日時変更は可能ですが、ご予約後のキャンセルはできませんので、ご了承ください。

・潤皮ふ科では、弱毒生水痘ワクチン、シングリックスのどちらも接種可能です。どちらのワクチンを接種するか悩まれている方は、気軽にご相談ください。

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