小児皮膚科は、院長および副院長が担当します。どちらも、日本皮膚科学会、日本アレルギー学会が認定した皮膚科専門医、アレルギー専門医です。乳児湿疹やおむつかぶれ、アトピー性皮膚炎などの湿疹性疾患や、とびひや爪囲炎などの感染症、いぼや水いぼといったウィルス性疾患など、小児特有の皮膚症状を幅広く診療するのが小児皮膚科です。子どもの皮膚診療に長けた医師がやさしく丁寧に診療にあたりますので、お子さまの皮膚のことでお悩みの方はお気軽に受診ください。

なお初期診療（プライマリー・ケア）の結果、高度な医療機器での検査や治療、入院加療などが必要と医師が判断すれば、その病気に適した総合病院や専門の医療機関などを紹介させて頂きます。

1歳未満の赤ちゃんのことを乳児と呼びますが、この頃に発症する湿疹を総称した呼び名が乳児湿疹です。生後1ヵ月を過ぎた赤ちゃんは、皮脂の分泌が亢進していきます。その際に頭やおでこなどの特に皮脂の分泌が多い部位では、表面にふけや黄色っぽいかさぶたができます。これは、脂漏性湿疹と呼ばれるものです。また、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーによる皮疹、おむつかぶれや唾液による口周りの接触皮膚炎なども乳児期にできるので、これらも乳児湿疹に含まれます。

尿や便が付いたおむつが長時間当たることで皮膚が湿疹を起こした状態を、おむつかぶれと言います。汗やおむつのこすれをきっかけに発症することもあります。尿や便に含まれているアンモニアや消化酵素などの刺激のほか、おしりを拭く際に生じる摩擦行為などの外的な刺激が原因となります。予防策としては、おむつをこまめに替えたり、おむつを替える際にきれいにお尻をぬぐって清潔にしておくことが大切です。

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が出て、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。乳幼児では頭皮や顔面、首や肘の内側に乾燥肌や湿疹が出来ます。また、ひどい人では、全身に症状が拡大することがあります。

じんましんは、虫に刺されたような赤い発疹が全身に急に現れ、非常に痒くなる病気です。

あせも(汗疹)とは、高温多湿の環境下で大量の汗によって汗を排出する管が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こります。特に乳幼児は皮膚のバリア機能が未発達で汗腺が密集していることから、これらが詰まりやすくなっています。症状としては赤いぶつぶつや小さな水疱が、髪の生え際やおでこ、首すじや両わきに好発します。

予防法としては、衣服や室温を調整して涼しい環境で過ごすようにすることと、汗をかいた場合には手ぬぐいで拭くかシャワーを浴びて余分な汗やよごれを取り除くことが重要です。

とびひ(伝染性膿痂疹)とは、アトピー性皮膚炎や虫刺されの湿疹を掻き壊した傷口や、切り傷やすり傷などの外傷部位から細菌が侵入し、皮膚に感染症を起こしたものです。手足にかさぶたを伴った水ぶくれが多発し、滲出液を伴ってジュクジュクした状態になります。

蚊や毛虫、ダニなどの虫に刺されることで生じる皮膚の炎症を、虫刺されと呼びます。虫の種類や刺された方の体質によって症状の強さは異なりますが、痒みがある赤いぶつぶつが刺された部分に見られます。また、人によっては刺し口から菌が入って、赤く大きく腫れて火照りや痛みを場合もあります。

いぼ(疣贅)とは表面がざらざらした数mm～2cm程度までのしこりが手足の指や手掌、足底などにできる病気で、ヒトパピローマウィルスの感染症です。他の人のイボからウィルスが接触感染し、皮膚で増殖する事で徐々にしこりが大きくなっていきます。

水いぼ(伝染性軟属腫)は軟属腫ウィルスに感染することで発症する皮膚感染症で、白っぽくて光沢のあるぶつぶつが全身に多発します。感染者の多くは乳幼児から小学校低学年の児童で、他の人の水いぼに触れることや、タオルなどを介して感染します。

水いぼは特に痛みや痒みもなく、自然消褪する可能性もあるので放置される事があります。ただ、増殖力が強いため全身に広がることが多く、プールや学校生活に支障が出る場合もあり、当院では数が少ない内にピンセットで摘除することをお勧めしています。その場合は、麻酔テープである程度痛みを和らげてから、ピンセットで処置を行います。

円形脱毛症は、髪の毛が突然、円形に抜け落ちてしまう病気です。単発のものや多発するものがあり、その大きさも様々です。また、毛が抜ける部位についても、頭皮だけの方が多いですが、ひどい人では眉毛やまつ毛、わき毛など全身の毛が抜けることがあります。